結論から言うと、私はE資格を「取ってよかった」と感じています。ただし、誰にでもおすすめできる資格ではありません。
「E資格は意味ない」という声は、たしかにあります。受験のために費用のかかる講座が必須で、難易度も高い。それなのに知名度はまだ高くない。そう聞くと、取る価値があるのか不安になりますよね。
私は未経験の臨床検査技師として働きながらAIを学び、E資格を取得しました。その立場から正直にお伝えすると、E資格は「意味がある人」と「意味がない人」がはっきり分かれる資格です。
この記事では、E資格が「意味ない」と言われる理由を正面から認めたうえで、それでも私が取ってよかったと感じる理由、そして取得をおすすめしない人まで、本音で解説します。

E資格とは?G検定との違い
E資格は、ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選んで実装する力を認定する資格です。日本ディープラーニング協会(JDLA)が運営しています。
よく比較されるG検定が「AIの基礎知識・活用リテラシー」を測るのに対し、E資格は「理論・実装」に踏み込むのが大きな違いです。G検定が入り口の知識を問うなら、E資格はその先の実装力を問う、より専門的な資格と言えます。


E資格が「意味ない」と言われる4つの理由
まずは、ネガティブな声を正直に取り上げます。E資格が意味ないと言われるのには、それなりの理由があります。
受験するだけで講座の受講が必須
E資格の最大のハードルがこれです。E資格は独学では受験できません。受験資格を得るには、JDLAが認定したプログラム(講座)を、試験日の過去2年以内に修了している必要があります。
つまり「試験を受けるためだけに、まず講座を受けないといけない」わけです。この前提が、ほかの多くの資格と比べてE資格を「重い」資格にしています。

出典:JDLA認定プログラム
費用と時間の負担が大きい
認定講座は、数万円程度のものから数十万円する本格的なものまで幅があります。さらに、E資格そのものの受験料も別途かかります(一般33,000円・税込)。
講座代に加えて受験料も必要なため、「資格を取るだけでこれだけかかるのか」と費用対効果に疑問を持つ人がいるのは自然なことです。
難易度が高いわりに認知度が低い
E資格は応用数学・機械学習・深層学習と幅広く、実装力まで問われる難関資格です。それだけの労力をかけて取得しても、AI業界の外ではまだ知名度が高いとは言えません。
これだけ大変なのに、説明しないと伝わらない。この難易度と認知度のギャップが、報われなさを感じさせる一因になっています。
資格だけでは転職に直結しない
これは正直に書きます。E資格を持っているだけで転職が決まるほど、現実は甘くありません。採用の場面では、資格そのものよりも実務経験やポートフォリオ(制作物)が重視されることが多いです。
「取れば転職できる」と期待して取得すると、ギャップに苦しむ可能性があります。
それでも私がE資格を「取ってよかった」と感じる理由
ここからが本題です。上記のような声があるのを承知のうえで、私は取得してよかったと感じています。その理由をお伝えします。
体系的に実装力が身についた
独学でディープラーニングを学ぼうとすると、多くの人が途中で挫折します(私自身、独学では環境構築でつまずいて一度挫折しました)。
E資格は受験のために認定講座の修了が必須ですが、これは裏を返せば「挫折しやすい深層学習を、強制的にやり切れる仕組み」でもあります。費用や手間が、結果的に学習をやり遂げる後押しになりました。
「AIを学んでいる人」だと認識されるようになった
E資格を取得して一番大きかったのは、仕事でAIを使った画像検査に関わる機会が得られたことです。
きっかけは、資格そのものというより「AIを学んでいる人」だと周囲に認識されていたことだったように思います。E資格を持っていることが、専門的にAIを学んできた証明になり、声をかけてもらえたのだと感じています。
ここで実感したのは、資格は「持っているだけで何かが起こる」ものではないということです。ただ、学び続けている姿勢の証明になり、結果として新しい機会を引き寄せてくれる。E資格は、私にとってまさにそういう存在でした。
キャリアの選択肢が広がった実感がある
転職という形ではありませんが、AI関連の話題に自分から入っていけるようになり、できることの幅が確実に広がりました。資格は転職の万能チケットではないけれど、今いる場所で新しい役割を引き寄せる武器にはなる。これが私の率直な実感です。
E資格をおすすめしない人・おすすめする人
ここまでを踏まえて、向き不向きを整理します。
おすすめしない人
一番伝えたいのは、「E資格を取れば転職できる」と思っている人にはおすすめしないということです。資格単体で転職が決まるほど甘くはなく、期待が大きいほど落胆も大きくなります。
ほかにも、実務でAIに関わる予定がまったくない人や、費用と学習時間を確保できない人は、コストに見合う実感を得にくいかもしれません。
おすすめする人
逆に、AIの実装力を体系的に身につけたい人、独学では挫折しそうで強制力がほしい人、そして「今の仕事の中でAIに関わる機会を広げたい」人には、十分に価値があります。
資格を「ゴール」ではなく「学びのきっかけ・機会を引き寄せる手段」と捉えられる人ほど、E資格は活きると思います。
E資格取得には認定講座が必要。私はどうした?
繰り返しになりますが、E資格を受けるにはJDLA認定講座の修了が必須です。そして、どの講座を選ぶかで、費用も学べる範囲も大きく変わります。
私はキカガクの長期コースを受講しました。長期コースを受講すれば、その中でE資格の受験資格を得るための指定の講習も受けることができたので、AIを基礎から体系的に学びつつ、E資格の受験資格も得られたのは大きなメリットでした。

まとめ:E資格は「意味ない」のではなく「人を選ぶ」
E資格は、受験のために講座が必須で、費用も難易度も高く、それだけで転職できるわけでもありません。「意味ない」と言われる理由には、たしかにうなずける部分があります。
それでも私は、取ってよかったと感じています。体系的に実装力が身につき、「AIを学んでいる人」として新しい機会を引き寄せてくれたからです。
大切なのは、E資格に何を期待するかです。転職の万能チケットを求めるなら期待外れかもしれません。でも、学びのきっかけとして、そして機会を引き寄せる手段として捉えるなら、十分に価値のある資格です。
「意味ない」という言葉に惑わされず、自分の目的に照らして判断してみてください。
