『G検定を取得しようか迷っている』『転職やキャリアアップに本当に役立つのだろうか?』と考えている方も多いのではないでしょうか。
実際に「G検定は意味がない」と言われることもあり、学習に時間を割く価値があるのか悩む方も少なくありません。

私自身はE資格を取得しましたが、振り返ると、G検定を受けておけば良かったと感じています。
この記事ではその理由をお伝えするとともに、G検定が「意味がない」と言われる背景や、G検定のメリットについて解説します。
この記事を読み終えた後には、G検定の価値を理解し、AI学習の第一歩を自信を持って踏み出せるようになるはずです。
G検定とは


出典:ディープラーニング協会
G検定とは、AI技術の基礎的な仕組みや種類、活用事例などを体系的に学ぶことで、AIに関する理解を深める資格です。
特に、AIをビジネスで活用するための知識を身につけることを目的としています。
プログラミングスキルが不要で、AI未経験者でも挑戦しやすい点が特徴です。そのため、AIに興味がある初心者が最初のステップとして最適な資格になります。
G検定はDi-Liteの対象資格


出典:デジタルリテラシー協議会
「Di-Lite」とは、デジタル技術を活用するビジネスパーソンが共通して身につけるべき、デジタルリテラシーの範囲を示す概念です。その中で、G検定は人工知能やディープラーニング領域を包括しており、これらの知識を体系的に学べる資格として位置づけられています。
デジタル人材として必要な教養を身につけるため、G検定はITパスポート試験と並び、基礎的なデジタルリテラシーを証明する資格として推奨されています。
ITパスポート試験は、情報技術の基礎を学ぶ国家資格で、ITに関する知識を幅広く身につけられる入門的な試験です。
G検定が「意味ない」と言われる理由5選



資格全般に言えることですが、資格を取得するだけでは「実務スキルが備わっている」と見なされないことがあります。特にG検定は、AIの基礎知識に重点を置いた資格であり、スキルを証明する資格ではありません。
実務での活用が難しい
G検定はAIやディープラーニングの基礎知識を学ぶための資格ですが、実際のAI開発やプログラミングスキルは問われません。そのため、「学んだ知識をそのまま実務で活かすのが難しい」と感じる人が多いです。また、G検定はAI技術の全体像を理解することに特化しているため、AI技術開発の現場で必要な具体的なスキルとはギャップがあります。
資格を取得しても転職やキャリアに直結しにくい
G検定は基礎知識を証明する資格であり、これだけで「AIの専門家」として評価されることはありません。そのため、転職やキャリアアップを目指して取得しても、実務スキルが評価される場面では直接的な効果を得られないです。転職を考えると、G検定を取得するだけでなく、実務経験や他のスキルの習得と組み合わせて活用することが必要になります。
カンニングができるため信頼性が低い
G検定は自宅でオンライン受験が可能なため、試験中にカンニングができてしまいます。一部の受験者はカンニングペーパーを作成して試験を突破するため、本来の目的である「基礎知識を学ぶ」という点が疎かになる場合があります。資格を取得しても「カンニングしただけでは?」と見なされ、信頼性に疑問を持たれることがあります。
受験費用が高いと感じる
G検定の受験料は一般受験で13,200円(税込)です。これに対し、ITパスポート(7,500円)や基本情報技術者試験(7,500円)など、他のデジタル系資格の受験料と比べると高めです。そのため、「費用対効果が見合わない」と感じる人も少なくありません。資格を取得した後の活用方法が明確でない場合、受験費用を高いと感じる傾向が強くなります。
資格の認知度が低い
G検定は日本ディープラーニング協会(JDLA)が認定する資格であり、AI業界内では知られています。しかし、一般的な認知度は高くありません。転職活動やビジネスの場面でアピールする際に、「この資格は何?」と説明が必要になることが多いです。認知度の低さから、資格そのものの価値が実感しにくいです。
G検定のメリット4選
AI分野に関する知識を客観的に証明できる
G検定を取得することで、AIやディープラーニングに関する基礎知識を有していることを第三者に証明できます。AI関連の知識を持つ人材として信頼を得やすくなります。また、基礎的なAIリテラシーを持つことは、あらゆる業界で価値が高まっています。
AI関連の業務に関わるきっかけを作れる
資格を取得することで、AI関連の業務に関わるチャンスが増え、キャリアの選択肢が広がります。特にAIを活用したプロジェクトの提案や参加がしやすくなり、AI分野に関心があると示すことで、社内外での評価が高まることも期待できます。専門的な技術を学ぶ前に、全体像を理解する足掛かりとしても有用です。
AIに対する苦手意識が薄れる
G検定を通じてAIの基本的な仕組みや活用事例を学ぶことで、「AIは難しい」というイメージが薄れ、自信を持ってAIに取り組む第一歩となります。特に、非エンジニアや未経験者にとって、体系的にAIを学ぶことはハードルを下げる大きなきっかけとなります。学習を通じて、AIをより身近なものとして感じられます。
「E資格」取得へのステップになる
G検定の取得は、AI関連資格の中で最難関とされる「E資格」の取得のステップになります。E資格を目指す上で、基礎を固める重要な足掛かりとなります。G検定で培った知識は、ディープラーニングの本格的な学習を始めるための土台となり、次のステップへ進むモチベーションにもなります。キャリアアップのための長期的な投資としても有効です。
E資格は、AIやディープラーニングの実装スキルを証明するものです。受験にはJDLA認定講座の修了が必要で、プログラミングや数学の知識が求められます。G検定がAIの基礎知識を問うのに対し、E資格はAI開発の実務レベルのスキルを証明する資格として位置付けられています。
G検定を受けなかったことを後悔した理由
プログラミングスクールに通う前にG検定を取得しておくべきだったと、今になって強く感じています。G検定でAIやディープラーニングの基礎知識を身につけていれば、プログラミング学習を効率よく進められたはずだからです。
私自身、AIの知識がほとんどない状態でプログラミングスクールに通い始めましたが、基礎がないためにAIやディープラーニングに関する講義内容を理解するのに苦労しました。基本的な概念を一つひとつ調べながら学ぶ必要があり、学習が非効率になってしまったのです。
また、E資格の学習に取り組んでいるときも、G検定の内容がベースになっていると感じる場面が多くありました。G検定を取得して基礎を固めていれば、スムーズに学習できたと感じでいます。AI学習を始める上で、G検定は必要な知識を体系的に学べる絶好の機会だったと今では思っています。



G検定で得られる知識は、AI学習を始める上での地図のようなものです。
G検定に関する質問
- オススメのテキストはどんなものがありますか?
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G検定の学習には、テキストと問題集の組み合わせがオススメです。
- 「白本」(公式テキスト)
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AIやディープラーニングの全体像を理解するために最適な教材です。まずは白本で基礎知識をしっかりと身につけましょう。
- 「黒本」や「赤本」(問題集)
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問題演習用のテキストで、出題傾向に慣れることができます。特に黒本は直近の試験内容をカバーしており、実践的な対策に役立ちます。
問題集を解きつつ、教科書で調べながら学習すると効率的です。
- G検定を取得するためにスクールは必要ですか?
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G検定を取得するために、スクールは必要ありません。独学で十分に合格が可能です。公式テキスト(白本)を中心に、黒本や赤本などの問題集を活用すれば学習を進められます。
ただし、AI初心者の方や、効率的に短期間で学びたい方は、スクールやオンライン講座を活用するのも一つの選択肢です。
- 合格までの時間はどのくらいですか?
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ディープラーニング協会がG検定の合格者に行ったアンケート結果を参考にすると、以下の学習時間が目安とされています。
- 30〜50時間:39.0%
- 15〜30時間:23.7%
- 50〜70時間:15.3%
参照:ディープラーニング協会
初心者の場合、基礎知識をしっかり身につけるために 50時間程度を目安に計画を立てると良いでしょう。学習時間は個人差がありますが、集中して取り組むことで効率よく合格を目指せます。
まとめ
G検定を学習することで、AI技術の全体像を理解し、これからのAI時代に対応するスキルを身につけることができます。
世間では「G検定は意味がない」といった声も聞かれますが、それは資格の意義や活用方法を十分に理解していない場合が多いです。G検定の本質は、AIに関する基礎知識を証明し、次のステップに進むための土台を築くことにあります。
周りの意見に惑わされるのではなく、学びの目的を明確にしてG検定に挑戦してみましょう。